普門軒の禅のミカタ

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暑さ寒さも彼岸まで。春期・秋期彼岸会のご案内

f:id:fumonken:20190702100051j:plainこのお彼岸の行事は日本だけに見られるものです。聖徳太子の頃より始まったともいわれています。

彼岸会法要


平安時代初期には朝廷で行われ、江戸時代に庶民もお寺まいりやお墓まいりをするのが習慣となり、年中行事化したといわれています。普門軒でも毎年、春分の日に春期彼岸会、秋分の日に秋期彼岸会の法要を行っております。彼岸会では大きく三つのお勤めをいたします。

1.本尊様へのご回向
2.施餓鬼(せがき)法要
3.檀家様各家ご先祖様へのご回向
4.法話

1.本尊様へのご回向

何れに法要においても、まずは普門軒の本尊様にご回向をいたします。本尊様は子安観世音菩薩様です。子供の観音様です。その名の通り安産や幼児の成長を守護するという観世音菩薩様です。

2.施餓鬼法要

本堂の縁側に施餓鬼棚を組み、三界万霊の供養をします。禅宗の法要はわりあい単調な中でも施餓鬼法要は読経も独特の節回しの唱和をし、いつものお寺とは様相を異とします。

そもそも餓鬼とは仏教における六つの世界観の内のひとつです。常に飢えと乾きに苦しみ、食物、また飲物でも手に取ると火に変わってしまうというのです。その餓鬼のために恵みを与えよう、つまり施すことが施餓鬼です。普段の恵まれた人生に感謝し、苦しんでいる人々へ思いをはせるかたちとして、年に二度お勤めするのです。施餓鬼の功徳は「存者は福楽にして寿きわまりなく、亡者は苦を離れて安養に生ず」と言います。

3.檀家様各家ご先祖様へのご回向

施餓鬼法要の後、檀家の皆様のご先祖様への法要になります。年忌法要は亡くなられた方への法要ですが、この場合はすべてのご先祖様への法要となります。この読経の時には、参列された方にはご焼香をしていただきます。

4.法話

法要の終わった後、私の方から15分程度の法話をいたします。現在は『発菩提心空拳章』という法要の際に読経するお経についてお話ししております。

法要終了後は、それぞれの水塔婆をお持ちになって、お墓のお参りをいたします。またご参列いただいた方には手作りのお赤飯とハーブティーをお土産としてお配りしております

 

〈回向〉・・・仏事供養をすること。死者に向けて読経をすることです。
〈法要〉・・・寺院に僧侶や信者が集まり、お勤めをする儀式のことです。会(え)とも言います。彼岸会(ひがんえ)と彼岸法要(ひがんほうよう)は同じ意味です。